高欄セットA 作事伝書

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■松山城

●組立説明

※注意 後述のプロポーション調整を実行する場合、エッチングを取り付ける前に行って下さい。

プラキット組説の手順A、Bに従って、大天守の壁(プラスチックパーツ26〜29)を組み立て、屋根(プラスチックパーツ2、3)を取り付けて下さい。

photo_松山城 組立説明
本来の高欄(プラスチックパーツ23)は使用しません。
かわりに0.5mmプラ板を1.2mm幅に切り出し、天守に取り付けて下さい。窓の下端とプラ板の下面が揃う位置に取り付けます。

photo_松山城 組立説明
エッチングパーツD2、D3の図の部分は不要なので切り取って下さい。

photo_松山城 組立説明
エッチングパーツD1、D2、D3を取り付けて下さい。

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さらに、0.2mmプラ板を細く切り、エッチングの溝に合わせて取り付けると、より実物に近づきます。
ディテールについては次項の参考写真もご覧下さい。

photo_松山城 組立説明

●参考写真

photo_松山城 組立説明
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●プロポーション調整

1/450松山城は相原の城プラモとしては作りやすく、特に悩むところもなくスラスラ組めます。
完成すると天守本壇の複雑な姿を俯瞰できて面白い。櫓も多く見ごたえがあります。

ただし、大天守はデフォルメが極端すぎるようで、直感的に不自然さを感じます。
お察しのとおり私は相原模型原理主義者であり、同社のデフォルメにケチをつけることは滅多にないのですが、この大天守はどうにも好きになれません。
実際の松山城大天守も決してスマートな建物ではありませんが、それでも三重櫓なりの均整は感じられます。

何がいけないのか、キットと図面を比較して検証してみました。
※図面の出典 「松山城」  「松山城」編集委員会 1979 

photo_松山城 組立説明  photo_松山城 組立説明

二階の壁が高すぎるようです。
そこで、どうやって修正するか、画像を切り貼りして検討してみました。この方法を使うと修正後のイメージを簡単かつ具体的に把握でき便利です。

photo_松山城 組立説明  photo_松山城 組立説明
二階の壁を2ミリほど低くすれば実物に近くなるようです。
他にも千鳥破風の角度が立ちすぎている点、張り出しが小さすぎる点などが気になりますが、その修正は大仕事になるのでパスします。

各階をバラバラに切り刻み、二階の幅を調整して組み直します。
望楼の南北面は窓が片寄っているのが正しいので、ついでに修正するとよい。

photo_松山城 組立説明
二階の高さを詰めたので、屋根を取り付けると干渉します。
構造的には嘘になりますが、屋根裏に溝を掘って収めました。
かなり不満足な処置ですが、こうでもしないと千鳥破風をまるごと作り直すしかないでしょう。
あるいは、千鳥破風を切り取って高さだけ調整してもよいかもしれません。

●内部

photo_松山城 組立説明
身舎の柱配置を図示します。内部を作る場合の参考になさって下さい。
南北三間はほぼ均等割り、東西四間は外側が若干広い。
現状は板張りですが敷居と鴨井があり、かつては畳と建具を有していたと思われます。南西角には床を設けています。窓の内側は木の引戸です。

photo_松山城 組立説明

●石垣

さすがに瀬戸内、花崗岩がふんだんに使われています。明るく軽やかな石垣です。塗装のベースは明灰白色あたりか。
建物は黒々とした板張りでシルエットもずんぐりしていますから、これで石垣が黒っぽい凝灰岩だったら、さぞかし重苦しい城になったことでしょう。
きっちりとした切込ハギ、完璧な算木積など技術的にも成熟しています。
photo_松山城 組立説明

●小天守と隅櫓

以下の写真から、隅櫓壁面の複雑な塗り分けが分かります。
また、キットの隅櫓は四面に高欄がモールドされていますが、実際は大天守に向いている角のみ高欄がありません。
建物の高さもかなりデフォルメされていることが分かります。

photo_松山城 組立説明
玄関多聞と北櫓。

photo_松山城 組立説明
外側(西)からみた北櫓。

photo_松山城 組立説明
こちらは外側(西)からみた南櫓。

photo_松山城 組立説明
小天守から南櫓を眺める。

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大天守から南櫓。

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小天守と南櫓。南西方向より。

●門

内庭に入る門はキットでは省略されています。

photo_松山城 組立説明
外側から眺めた内門。

photo_松山城 組立説明
内庭から眺めた筋鉄門。



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