高欄セットA 作事伝書
作事心得
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応用例・安土城
■和歌山城
●組立説明

プラスチックパーツ56を図のように加工して下さい。高欄に相当する部分を切り取ります。正確に削ると一辺が17mmになります。

エッチングパーツA2両端の薄い部分は不要なので切り取って下さい。

エッチングパーツA1〜A3を図のように取り付けて下さい。A3は8つのうち4つは予備です。
以降はプラキットの組立説明書に従って下さい。ここで組み立てたパーツは、プラキット説明書の手順Dにて、プラスチックパーツ56の位置に取り付けます。
●大天守のディテール
大天守三階の開口部は、外観復元では一間幅で戸は二枚に見えますが、古写真では中央の一間と、柱を挟んで両脇の半間が開いており、その表側に半間幅の引戸が四枚並んでいます。このあたりキットはほぼ正確に再現しています。
古写真から推測すると、表側とは別に裏側にも板戸があり、これらを全開にした時にも、中央の一間のうち半間は板戸が見えているようです。
三階の壁面には長押形が見られます。
嘉永再建天守の内部が分かる資料としては「写真にみるあのころの和歌山 ―和歌山城(戦前)編―」があります。
文化庁所蔵の大天守内部写真が一葉掲載されています。
価格は500円+送料210円。購入申込は現金書留にて和歌山市立博物館まで。
●二ノ門櫓のプロポーション調整

二ノ門櫓は不自然に縦長に見えるので、壁を低く削るとバランスが良くなります。
一階の壁の上辺を0.5mm、二階上辺を1mm削ります。これに伴い、妻板を壁から切り離し、屋根に接着して下さい。妻板の取付位置は壁より外側になるよう調整します。
窓の向きも一部が間違っています。天守方向には開かず、外側に向かって開くのが正しいので、余力があれば修正するとよい。
二階の屋根は各辺をわずかに削り幅を狭くします。
●石垣

本丸の石垣は三波川変成帯の緑泥片岩で出来ています。下の方へ行くと和泉層群の砂岩を積んだところもありますが量的には少数派です。
緑泥片岩といっても、言われてみれば緑がかっているという程度で、上の写真のように乾いた状態ではほぼ褐色に見えます。聞いた話では濡れると綺麗らしいです。
小ぶりな石が多く、片理に沿って割れる緑泥片岩の性質から、ところどころに横長の石が目立ちます。
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