■石屋主人日乗
●号外
国連難民高等弁務官事務所 ウクライナ難民援助
国境なき医師団への寄付、支援
いろいろあって
エレールの帆船
はディラックの海に沈み、かわってアオシマの鳥海が浮上してきたのだった(こんなんばっかだな)。

2007年発売、定価7800円。私がまだ東京にいた頃に下北沢のサニーで買ったものです。

さすがに1/350だけあって作りごたえがありそうです。

買った頃に多少いじったらしく、船体の形は出来ています。

まずはランナー整理から始めましょう。ランナーを識別しやすいように油性ペンで記号を書き入れます。

いっぱいあるなあ。

しかし、高雄型は個体差が大きいので、不要パーツも多い筈です。鳥海の場合、127mm連装高角砲も、25mm三連装も、零式三座水偵も、みんな不要なのです。
なので実際に作るパーツは、見かけよりずっと少ない(と自分に言い聞かせて士気を鼓舞する)。

艦橋に対して前面が微妙に広く、うまく合わないので、どう収めるか思案のしどころ。

初回特典の第一号魚雷艇です。
●おまけ

田宮のキングジョージ五世を組みました。
甲板上のエリコン20mmだけ色が違うのはディテールアップにあらず。元の部品をなくしたので、単装25mmの弾倉を切り取って流用。

素晴らしい。こんなのが1976年発売ってマジか。定価2200円というコスパ感も異常。
Amazon
タミヤ 1/700 ウォーターライン プリンスオブウェールズ マレー沖海戦
キングジョージ五世はいま品切れみたいなので、アフィリンクはプリンスオブウェールズです。
ところで、もはや誰も覚えていない
組まずに死ねるかプラモ100選
ですが、そういえば田宮のキングジョージ五世も含まれていました。さらに、もし1/350鳥海が完成すれば、目標が二つも一気に達成できてしまいます。よし頑張ろう。
●おまけ 懐かしの海外アニメ
スカイホーク
「紺碧の空高く、飛べ、スカイホーク」のナレーションで始まる航空アニメ。かっちょええです。
くまくんトリオ大脱走
「♪動物園は僕らの天国 のんびり食べて昼寝して ああゴーロゴロ」
動物園の暮らしに慣れた三匹の熊が、すっかりシティボーイと化して、飼育係の目を盗んでは町へ遊びに行ったり、やりたい放題。
熊たちのイタズラが過ぎて飼育係がブチ切れ「おまえらもう山に帰れ」と叫ぶと、熊たちはふるえあがって詫びを入れるというオチ。
キャプテン・ファドム
キャプテン・ファドムが指揮する万能潜水艦アーゴノットの活躍を描く。
EDの音楽とロゴマークが子供心にカッコよくてねえ。
●今週のぬこさま
現在のぬこさまたちは暑すぎて動きがないので、過去写真から選んでお送りします。

猫なのであらゆる隙間に潜り込む。

2017年12月、生後8ヶ月。初めての冬を経験。
「この寒さは何なのにゃ また飼い主がふざけているに違いないにゃ 早く暖かくするにゃ」
これだけ暑いと、もう「状況夏」を宣言してもよいのでは。各員猛暑に備えよ。

というわけで今週も船の話をします。
巨大艦艇プラモは日本ホビー名物というべきアイテムで、まず1965年に1/250戦艦大和が発売されました。定価2,900円。1/400エンタープライズは翌1966年、定価2,800円。
第二弾にエンタープライズが選ばれたのは、当時最新鋭の原子力空母というネームバリューと、北米市場をも睨んでのことでしょう。

巨大な箱のサイズは86×21×10cm。でか過ぎて取り回しに不自由するレベルです。
「むう、でかいツラしおって。よし、アオシマの鳥海、ゆけい!」
「ま、負けました」
「何じゃと?」
エンタープライズは三辺の合計が117cm、対する鳥海は107cmで、僅差で及びませんでした。

箱上面の拡大。

前面と側面は意外とシンプルです。

御開帳。1966年にこんなの買ってもらった人いるんだろうな。いいなあ。

一の袋、シールや甲板など。

二の袋は飾り台や銘版、エレベーターなど。

三の袋、艦載機は同じランナーが三枚。

意外と細かい。

四の袋、ギアボックスやスクリューなど。黒いものは喫水のラインを再現するテープです。

これらを取り除くと、いよいよ船体の登場です。

でっかいぞう。

何と、喫水にマスキングテープを貼ってあります。
付属のドキュメントは組説が中綴16ページ、実物の解説が四ツ折両面の8ページ。ページ数が多いので
絶版プラモ組説書庫に置いておきます。
組説にはラジコン装置の取り付けかたも載っています。昭和四十年代に、こんなものにラジコンを搭載して、そこらの池や川に持ち込んだら、近所の子供たちが押し寄せて英雄扱いだったでしょうね。
その後、エンタープライズのプラモは70年代にニチモ1/500、大滝1/400が発売されました。そして1984年にタミヤ1/350、定価18,000円の豪華キットが登場するに及び、本キットは歴史的使命を終えたと言えるでしょう。
大和は1968年に伝説の1/200がニチモから発売され、「模型店の棚の一番高いところ」を占領しました。1/250スケールでは1978年に大滝から新製品が出ています。
なお日本ホビーの1/250大和は童友社から、大滝の1/250大和、1/400エンタープライズはアリイから再販されています。
日本ホビーの大和はモデルアート増刊「モデルス プラスチック '60」の49~51ページに作例が掲載されています。
余談ですが、日本で初めてエンタープライズのプラモを出したのは相原模型らしい。1960年に発売。
●おまけ 令和六年上半期 プラモ中間報告書
「み、みっつ? 半年で14個も買って、完成がわずか3つ!?」
これはひどい。余りの成績に、コンスコンばりに椅子からズリ落ちてしまいました。
昨年は一年で組立21個、購入14個でしたから、半年で購入14個は明らかにリバウンドです。後半は引き締めて参りましょう。
●今週のまんが予約
Amazon
裏の家の魔女先生 5
9月19日発売予定。表紙は誰かな?
●今週のぬこさま

「暑くても箱には入る派にゃ」

「ガラスケース一択にゃ」

「おまいらニワカにゃ 木の床が一番にゃ」

そういえば、これを紹介するのを忘れていました。
相原模型の
名刀シリーズ
No.8、「栗漆鞘絞鍔大小拵・木村長門守所用」です。
1969年5月発売、定価350円。箱サイズは305×150×45mm。側面に載っているアイテム一覧のなかには絶版品もあって興味深い。
ちなみに、いままで取り上げなかったのは、木村重成の差料など何も資料がないので、書くことがなくてつらいからです。

開梱時。袋はタグ付きです。

袋にも金色で印刷してあります。豪華ですね。

無櫃の鞘はシリーズNo.5の「朱塗鞘金蛭巻大小拵 豊臣秀吉所用」と共通です。柄も同じランナーに収まっています。

プラスチックに金属粉を入れて、沃懸地の雰囲気を再現しようと試みています。

ちなみに、同じ名刀シリーズでも、笄や小柄を備えた大小拵には、こちらの鞘が使われています。柄は別枠で白く成形されています。

刀装具は細かく出来ています。豊臣ゆかりの武将なので桐ということらしい。
ところで、上のランナー、真ん中に何か切り取った跡がありますね。ハッ、さては・・・

やっぱりそうか。こちらは「朱塗鞘金蛭巻大小拵 豊臣秀吉所用」の部品です。
鍔だけ切り取って、このランナーを流用していたのです。
これもう実質的に「豊臣秀吉」のバリエーションキットじゃないか。

刀身と刀掛けは他のキットと共通の金型。

柄巻の紐と、メーカーロゴ入りの接着剤。

組説にはS.Aiharaのサインが。

相原名物の小冊子。日本刀の製法がコンパクトにまとめられています。
●おまけ
ようつべでオールナイトニッポンのCMフィラーを聞くと、懐かしくて死にそうになります。特に以下の二曲はもうだめです。
The Disadvantages Of You
We'll Sing in the Sunshine
50年前の自分の部屋を思い出します。
●今週のぬこさま

この暑いのに、くっついて寝なくても。

一方、坊ちゃんは冷たいガラスケースの上で長くなっていました。

暑いので水遊びのプラモでも紹介しましょう。クラウンの小便小僧、箱サイズは34×20×7.5cm。

箱側面より解説。FA130モーター内蔵で本当に水が出ます。

小僧さん360度。

組説。メカ部分が意外に多い。

裏面は白鳥の親子。親鳥の方に造花と香りの粒をセットします。これらは「花の香り」バージョンで増設された部分のようです。

部品を見ていきましょう。青いランナーは小僧さんの足元やモーターのケース、銘版など。

上の拡大です。こんな細かいモールドがあるとは驚きです。

ポンプ部品など。

小僧さん本体、造花、そして芳香剤がたっぷり。
組説裏面の解説によると、花の香りは50日くらいもつそうです。

白鳥の親子。ちゃんと白で成形されています。

モーターや端子、水パイプなど。

水を貯める飾り台。

心臓部の拡大です。こんな単純な構成でポンプになるのだから面白い。
ポンプといえば、近日再販予定のDX水車小屋(マイクロエース、元は河合商会)にもポンプ機能が搭載されています。
Amazon
マイクロエース 1/60 DX 水車小屋
こちらはクラウンの
公式ページです。小便小僧と人体模型が紹介されています。
小便小僧は近年は生産されていないようですが、おねだりすれば再販して頂けるかも。
なお、小便小僧の発売時期やバリエーションについては「凍りの梨」さんの
こちらのページで詳しく紹介されています。
●今週のぬこさま

またパソコンの上で変な恰好して寝てる。
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