■石屋主人日乗
ここは石屋の主人がプラモに関係あるコトやないコトを好き勝手に書き散らすページです。
以前の「ニュース」を改題。ニュースというと城プラモ界のイベントを残らず網羅するような印象になってしまいますが、そんなマメな事をやる気はサラサラないので。
以前に
大分模型(?)のことを書きましたが、当時の電話帳を調べれば正確な名称や所在地が分かるかもしれないと思い、県立図書館へ行ってみました。
しかし残念ながら、図書館にあった最も古い職業別電話帳は1974年版で、これには同店に関する記述はありませんでした。
また、電話帳を見れば当時の模型店事情を読み取れると思ったのですが、これも微妙に外れでした。
この頃の職業別電話帳には「模型店」や「ホビーショップ」の区分がなく、「教材・模型」または「がん具・人形」で探すしかありません。
つまり、掲載されている店がすべて模型店という訳ではなく、例えば「教材・模型」の中には学校に教材を納入する会社なども含まれるのです。
店名が「○○模型店」なら確度は高いですが、分かり易い店名ばかりでもないので、プラモ考古学資料としては今ひとつ使い勝手が悪い代物でした。
それでも懐かしい事実がいくつか出てきたので、需要があるか分かりませんが、ついでに紹介してみようと思います。
・木村玩具店 中央町2-5
そういえば竹町のメインストリートにオモチャ屋さんがありましたね。
プラモの品数はさほど多くなかったと思いますが、LSの拳銃プラモを見た覚えはあります。
・エサキ科学 中央町1-5

私が進学で大分を離れた1980年頃はまだ営業していたように記憶しています。
細長い店内の中央の島にショーケースがあり、タミヤ1/25タイガーI型などの完成品が飾ってありました。
現地へ行ってみると、看板は撤去されていましたが、フィールドグレーのタイルを貼ったビルは昔のままです。
そこで、CGで看板を描き、当時の景観を復元してみました。書体は明朝だったような記憶が。
エサキ科学は学校教材店も兼ねており、今津留にも拠点がありました。
・タケダ模型 別府市松原6
・タケダ模型大分店 末広1-4
別府にもタケダ模型があったという話は初耳なのですが、両者の間には何か関係があったのでしょうか。
タケダ模型といえば70年代後半に今津留あたりにも店を出していました。こちらは大分店から派生したようでした。
・新垣玩具店 金池南2-14-14
・シズカワ模型教材 金池南2-14-15

新垣とシズカワは上野ヶ丘中学校の前に並んでいました。
再開発の以前、この辺りは片側一車線の狭い道路に面して、ちろりん食堂など小規模な店舗が軒を連ねていました。
新垣は道路の拡張工事に伴い大在に移転し、つい最近まで営業していました。
・西本皆文堂 中島東1-3
現在は牧に移転していますが、昔は中島のボーリング場跡の近くにありました。文具店ですが当時はプラモデルも扱っていました。
入って右側の壁面がプラモのコーナーで、手前にはクラウンの1/144飛行機も積んでありました。懐かしいな。
当時の実家から近く、八輪装甲車などタミヤの新製品を買うには便利でした。
このほか、1970年代当時は中心街に多くあったデパートやスーパーでもプラモを売っていました。
現在は太陽家具になっている末広町のマルエイは、72年頃にプラモが割と充実していた記憶があります。
トキハ、ニチイ、ダイエーなどにも模型売場があり、私は78年頃にダイエーでエーダイのV2号を買いました。
77年には大分パルコが開店、ポストホビーのおかげで憧れの輸入キットも身近な存在になりました。
●おまけ 別府編

別府の青空模型が上田の湯町にあった頃の写真。同店は野口中町に移転して現在も営業しておられます。
寄棟二階建ての長屋はこの界隈でよく見られる建物でしたが、最近は少なくなりました。
1993年頃の撮影で、このときは相原の大阪城や田宮のホワイトメタル製1/35ドイツ7.5cm軽歩兵砲などを買いました。
前回の特集では東京シャープ再版物のNo.1を紹介しましたので、今回はNo.2(家康、秀吉、信長、毛利元就、本多忠勝、伊達政宗のセット)を取り上げます。
実はこの商品、中身はともかく、箱には突っ込みどころが満載です。

まずは中身。画像は組説から抜粋、羊歯の前立で有名な家康の兜です。
実物はポーランド槍騎兵の帽子みたいに四隅が突き出していますが、キットはだいぶ簡略化されています。
それでも大黒頭巾形兜は相原やコグレからは発売されておらず貴重です。

ところが、箱絵は羊歯の前立と星兜が合成されたものとなっております。

ていうか、明らかにバンダイの箱絵と同じイラストが使われています。どうなってるんだ。

これはひどい、完成写真は全然関係ない相原の初代キットからパクっています。
左が東京シャープの箱に載っている完成写真、右が相原のキットです。滅茶苦茶でごじゃりまする。
パッケージをデザインするときに材料が足りなかったので適当に調達しました、といった感じでしょうか。
いやはや、ここまで適当な再販も珍しいと思います。再販で貴重なキットが買えるのは有難いことなんですけどね。
●おしらせ
気がつくと
犬山城エッチングのスタンダードが6セット、エクスペルテンが4セットしか残っていませんでした。
売り切れてしまうと再生産は未定ですので、お求めはお早めにどうぞ。

サムライのプラモデル。1/16でヒストリカルのシリーズを展開しているウクライナのミニアートから昨年発売されました。
やはり外国人が作ったものだけに、厳密には詰めの甘い点もありますが、1/16の武将プラモなど他にはタミヤのモナカキットしかありませんので、お好きな方なら一作の価値ある貴重なアイテムだと思います。

それに、ミニアートはこんなのを出すこともありますから、サムライが売れれば、次はカッコいい騎馬武者のプラモを開発してくれるかもしれません。
というわけで、ストレートに作って楽しもうと思っていたのですが・・・

据紋が鍬形にモールドされています。ネタとして残そうか? ・・・さすがに削除しました。画像は修正前。

武装は謎の直刀が付属しています。腰反りに直して身幅を整え、太刀らしくしました。画像は修正後。
あと、組説の大袖51と54は左右が逆です。箱絵とカラーイラストが正しい。

絵心がないのでヒストリカルフィギュアとか無理、そんなふうに考えていませんか。
問題ない、というより、むしろそれが普通です。私もそうですが、そんな方には手軽な単色塗装をお勧めします。
作例はラッカーのツヤ消しアイボリーで塗り、エナメルのレッドブラウンでスミ入れしました。食玩で言うところの象牙彩色版です。
なおキットに飾り台は付属しません。作例はドラゴン1/16フィギュアから流用しています。
Amazon
ミニアート 1/16 サムライ<13世紀> MA16028 プラモデル

中西立太先生が遺して下さった「日本甲冑史」上巻3500円、下巻3700円。甲冑プラモのお供にお勧めです。
学研の歴史群像からも各種の甲冑本が出ており参考になります。
昔はちょっと詳しい本というと、モーターブーフより高い「日本の甲冑武具事典」しかありませんでしたが、近頃は資料も増えて有難いことです。
「日本甲冑史」はキャプションが英文併記なので、この本を外国の原型師さんが読んでくれれば考証に磨きがかかると思うのですが。
Amazon
日本甲冑史〈上巻〉弥生時代から室町時代
Amazon
日本甲冑史〈下巻〉戦国時代から江戸時代

数年前に発売されたミニスケールのサムライセット。エアフィックスもイタレリもやらなかったことをズベズダが実現してくれました。
画像はサムライ・インファントリー。他にサムライ・キャバリーとサムライ・ヘッドクォーターもあります。
この手のフィギュアの例にもれず軟質素材で成形されているのがちょっと残念。
こちらは昨年登場した新シリーズ。切削、接着、塗装ができる材質が嬉しい。
アイテムは侍大将、長槍騎兵、薙刀兵、野太刀侍、足軽槍兵、足軽弓兵、足軽鉄砲隊が出ています。

ちょっと前の話になりますが、お正月休みに「トラック野郎・御意見無用」のDVDを借りてきました。
反骨精神あふれる男くさい爆走ロードムービーというか、いやー、昔の邦画はパワフルで面白いですね。
菅原文太と愛川欽也が海辺でキャッキャウフフという、どんな顔をして鑑賞すればよいのか分からない名場面も登場します。
画像は映画の人気を受けて当時おおいに売れたというバンダイのプラモ。ただし新ロゴなので再版物です。

一方、こちらの写真は桜木町の船溜まりです。1990年代前半の撮影だったと思います。
本気と書いてマジと読ませる漫画に出てきそうな光景が当時はまだ残っていました。
というより、あの漫画が連載されていた頃に撮影したというべきか。
で、これら2つの話題に何の関係があるのかと言うと、写真に写っている船のへさきをご覧下さい。
下はトラック野郎のクライマックスシーンですが、背景に登場する漁船にも、同じような眼の模様が描いてあったのです。
「トラック野郎・御意見無用」より下北港のシーン (C)東映株式会社 1975
ネットで探してみると、
こんな資料がありました。
同様の装飾は世界に広く分布していたようです。面白いですね。

船の眼といえば、こんなキットも。高荷画伯の箱絵が美しいイマイの1/60ジャンク。75年発売、定価1800円。
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