■石屋主人日乗

ここは石屋の主人がプラモに関係あるコトやないコトを好き勝手に書き散らすページです。
以前の「ニュース」を改題。ニュースというと城プラモ界のイベントを残らず網羅するような印象になってしまいますが、そんなマメな事をやる気はサラサラないので。

●国宝 銀銅蛭巻太刀拵 2017.9.29

四半世紀にわたって探し続けたプラモが手に入りました。相原模型の「銀銅蛭巻太刀拵」です。
名刀シリーズについては 以前の記事でまとめましたが、 このように銀銅蛭巻太刀拵は、これだけが数年でカタログ落ちした謎のアイテムなのです。
発売は1966年。私が幼稚園児か、せいぜい小学生だった頃に製造され、普通ならそのまま消費され消えてゆく筈だったものが、いかなる因縁か、今ここにある訳です。

photo_銀銅蛭巻太刀拵
箱サイズは115×291×30mm。箱絵は完成写真です。

photo_銀銅蛭巻太刀拵
中身。鞘などは銀色のプラスチック、鐔や金具などは金メッキ、飾り台は黒です。

photo_銀銅蛭巻太刀拵
実物は和歌山の丹生都比売神社に伝わるもので、現在は東京国立博物館に寄託されています。
資料としては、日本の美術 No.6「刀剣」の巻頭、同 No.332「日本刀の拵」の表紙にカラー写真が掲載されています。また、ネットでは こちら に詳しい解説があります。

名刀シリーズの最初の三点は66年4月発売で、同時並行で開発されたと思われ、刀身は三点とも共通です。
問題は、銀銅蛭巻太刀拵にも共通の刀身パーツが使われたことで、このため腰反りが弱くなり、プロポーションはいまひとつです。

photo_銀銅蛭巻太刀拵
刀装具は専用の金型で、蛭巻が立体的にモールドされています。銀色の成形色は新造時を意識したようです。

photo_銀銅蛭巻太刀拵
内側の花菱こそ簡略化されていますが、亀甲の金具も再現されています。

これがなぜ絶版となったのか、今となっては分かりません。出来に不満があったのか、あるいは信玄や家康などに比べるとネームバリューが弱かったのか。
ただし、そもそも「源頼光所用」と付くのは相原のキットだけのようで、命名の根拠は不明です。
なお、相原さんは蛭巻が好きだったのでしょうか、他にも東京国立博物館所蔵の朱塗金蛭巻大小拵を模型化しており、こちらは童友社の名刀シリーズ「豊臣秀吉」として今も現役です。


●おまけ
photo_1/12スチール定規
エッチング製造の余白を利用して作った1/12スチール定規です。

photo_1/12スチール定規
使用例


●今週の新発売 2017.9.26

photo_給水塔ディテールセット
組説に手間取って更新が遅れましたが、ついに「Nサイズ 団地給水塔ディテールセット」を発売しました。
夏季攻勢の新製品はこれで全部です。 詳しくはお店をご覧ください
やっぱり公団住宅には給水塔を生やすべきだと思うの。

●おまけ
photo_秋の里山
秋は里山をうろつくのが楽しいです。

●夏の新製品 その4 2017.9.15

やっと夢殿エッチングセットを発売することができました。 詳しくはお店をご覧ください

photo_夢殿軒瓦セット
もうひとつ、夢殿軒瓦セットもございます。今回はアイテム数が多すぎて、これを設計したことを自分でも忘れており、協力会社さんから製品があがってきて、ようやく思い出す有様。
というわけで、結果的に隠し玉となりました。両方使えばよりカッコよくなりますので、この機会に是非ご用命下さい。

●おまけ ヨーデルの1/400庭園金閣寺
以前にヨーデル古典シリーズ をまとめたときには持っていなかった「庭園金閣寺」を幸運にも入手できました。

photo_庭園金閣寺
まずは外箱。サイズは168×260×44です。

photo_庭園金閣寺

photo_庭園金閣寺
1/400というスケールからして、もっとチープなキットかと思っていましたが、実際は想像していたよりずっと精密なモールドが入っています。
この分野でヨーデルが本気出すとなかなか凄いことになるという見本のようなキットです。誰か金型を発掘して再販してくれないものでしょうか。
なお組説は 絶版プラモ組説書庫でご覧頂けます。

50年史DBの備考欄には「飾り台の水面(銀紙)に金閣と背景が映る」という説明がありますが、キットに銀紙は含まれず、組説にも銀紙に関する記述はありません。
そのかわり箱の内側に青が印刷されており、切り取ってベースに使うよう指示されています。予告と実物が異なるのか、あるいは版によって仕様が違うのかも。


●夏の新製品がなかなか出ない件 2017.9.8

申し訳ございません、今週はアンテナセットしか新発売がありません。
夏の新製品の発売が一向に捗らないのは、組説の制作が難航しているためでもありますが、どちらかというと私が現実逃避に精を出しているのが主因といえます。どうもすみません。
せっかくなので、その一部をネタに使います。

●りぼん1962年10月号
photo_りぼん1962年10月号
80年頃に地元の古本屋で買いました。もともと古かったものが、あれから40年近く経っているので、さらに古色を帯びてきました。
もはや製本もボロボロで、無理に開くと割れそうなので、背の部分に影ができていますがご容赦下さい。
紙にも年月相応の汚れや染みが発生していますが、画像は見苦しくない程度にレタッチしてあります。

photo_りぼん1962年10月号
ひみつのアッコちゃん。赤塚不二夫先生は同時期にサンデーにて「おそ松くん」も連載。

photo_りぼん1962年10月号
のちに「高校生無頼控」など、硬派だか軟派だか分からないエロい漫画で有名になる芳谷圭児先生が、この時代にはこんな作品を描いています。

photo_りぼん1962年10月号
「大ひょうばんつづきまんが」というのが味わい深い。上田とし子先生は当時すでに大ベテランでした。

photo_りぼん1962年10月号
牧美也子先生のバレエ漫画。松本零士先生と結婚なさる前年の作品です。しかしこれ首長いな。

photo_りぼん1962年10月号
芸能人の紹介コーナーです。プラモ愛好家の目方誠くん、実はこの方、「花はおそかった」の美樹克彦さんです。いやあ驚いた。

photo_りぼん1962年10月号
裏表紙は琴姫七変化の広告です。この女優さんはボンカレーの箱の人なんですね。左下に名前を書き込む枠があるのも面白い。

photo_りぼん1962年10月号
折り込みのカラーページです。内藤耀子、浅野寿々子、森下洋子・・・モデルの方々のお名前を検索してみると、皆さんいろいろと活躍なさっていることが分かります。

それにしても少女趣味すぎて頭がクラクラしてきた。いやはや、この雑誌が70年代にアイビーロマンを生むことになるとは、これだけ見ると信じられませんね。


●夏の新製品 その3 2017.9.1

お待たせしました。Nゲージ窓枠セット4種と犬矢来・忍び返しセットを発売しました。 詳しくはお店をご覧ください
これで夏の新製品9種類のうち6点を発売しました。今回は残りの3点を紹介します。近日発売予定、おたのしみに。

photo_夢殿ディテールセット
夢殿ディテールセットです。

photo_給水塔ディテールセット
給水塔ディテールセットです。
と、ここまでは以前にも何らかの形で予告したことがありましたが、

photo_アンテナセット
これが今回の隠し玉、アンテナセットです。宇宙船などSFモデルのディテールアップにご活用ください。自分が欲しかったので作りました。まさに趣味丸出しです。
それにしてもこの丸いレイアウト頭おかしい。思いつきで作ったけど、普通に並べた方がたくさん入ったんじゃないか・・・orz





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