■石屋主人日乗

ここは石屋の主人がプラモに関係あるコトやないコトを好き勝手に書き散らすページです。
以前の「ニュース」を改題。ニュースというと城プラモ界のイベントを残らず網羅するような印象になってしまいますが、そんなマメな事をやる気はサラサラないので。

●思い出の模型店 その21 2016.7.29

京成線の高架化と、それに伴う再開発で、京成曳舟駅の周辺もすっかり様変わりしてしまったようです。

photo_京成曳舟駅 路地
写真は2009年8月、高架工事が始まる前の撮影。興味のない方にとってはどうでもいいが、懐かしい方にはトコトン懐かしい風景だと思います。 なぜなら、この路地こそは、かつてこの界隈にあった伝説の模型店に通う道筋だったからです。

駅を出て、この狭い道を押上方面に歩くと二つ並んだ踏切があり、奥の踏切を渡ると線路脇に松栄堂、その斜め向かいには原模型店がありました。 ちなみに、モリナガ・ヨウさんの「35分の1スケールの迷宮物語」にも、このあたりと思しき風景が登場します。91ページの「帰って「新八犬伝」見なくちゃ」というコマです。

photo_京成曳舟 原模型店
松栄堂のショーウインドは有名ですが、残念ながら写真は撮影していません。
原模型店の方もご覧のように賑やかなものでした。クリックすると大きな画像が別窓で表示されます。
ニチモの1/20セスナやハセガワの連山、田宮1/48ランカスターなどが飛んでいます。フジミの建築も完成見本の定番。左中段の小さなおみこしはヨーデルではなくオダカです。 その下にはカワイの大名行列。そうかと思うと田宮の恐竜やファインモールドの1/12?フィギュアのような比較的新しいキットの完成品も並んでいます。 最下段には相原の甲冑や太刀。なかでも「源頼光所用 銀胴蛭巻太刀拵」は滅多に見ることのできない貴重なものでした。

photo_コグレ ゴールドビクトリー
松栄堂では特に珍しいものを買った記憶はありません。原模型店ではたまに珍品が棚に並ぶことがありました。コグレのゴールドビクトリーもそのひとつです。 金メッキの帆船プラモは昔はよく見かけましたが、これは喫水線下が黒で塗装済みという変わったキットでした。考証的にはともかく配色としては気が利いていると思います。 また、上箱は透明な塩ビで出来ており、箱を開けなくても中身が見えるのも特徴です。

なお、松栄堂や原模型店はネット上に良い写真がアップされているので探してみて下さい。


●思い出の模型店 その20 2016.7.22

photo_蒲田 キネマ商店街 ホビーショップ スギ
蒲田のキネマ商店街にあったホビーショップスギ。当時の電話帳によると住所は東蒲田2-21-4。
90年代の中盤になっても、珍しいアイテムがちらほらと棚に並んでいました。

photo_マッチボックス ビンセント ブラックシャドウ
こういうものを買うと、ご主人はオモムロにパイプに火をつけ、背後の本棚から資料本を取り出し、ひとしきり実車の解説をして下さいました。
タバコの匂いと共に、古き良き模型店の雰囲気が懐かしく思い出されます。

photo_蒲田 キネマ商店街 ホビーショップ スギ
2009年の8月、「久々にオヤジのツラでも拝んでやるか」と訪問してみると、こんな張り紙が。
ストリートビューを見ると、今では建物も姿を消してしまったようです。


●大分よいとこ その3 2016.7.15

大分駅や臼杵駅では電動自転車を借し出しているので、手軽にサイクリングを楽しむことができて便利です。 航続力はエコモードで平地を走って半径20キロ程度。坂があると減りますが、大分駅を始点とすると、だいたい別府から坂ノ市くらいまで往復し、行先で数時間の散策を実行できます。 このくらい走ると、なかなか景色のよい場所や、珍しいものに出会う機会もあります。

photo_石臼の風景
石臼の上に祠が。善光寺のエピソードにちなんだのか。

photo_石臼の風景
ロケーション的には橋供養という可能性もあります。

photo_石臼の風景
周囲に穴が並んでいる石臼は水車で自動運転するタイプですから、昔はこのあたりに水車小屋があったのかもしれません。

photo_今井科学 水車小屋
水車といえば、カワイのプラモはマイクロエースが引き継いでくれましたが、イマイの方は再販されません。なかなか面白いキットだったのに残念です。

●おまけ
wikiのフォッカー Dr.Iの説明に「ラダーの踏み込みによる180度キックターンができる」と書いてあったので、ホントかよ~と思って調べたところ、 英文wikiのヴェルナー・フォスのページに、それらしき記述を見つけました。1917年9月23日、フォスの最後の戦闘を描いた部分です。

https://en.wikipedia.org/wiki/Werner_Voss ・・・マジだった。180°と明言されてはいませんが、後ろの敵を撃てるくらい回ったようなことが書いてあります。おっかねえ。

●アーマーモデリング2016年7月号、8月号に掲載された鎧の作例が凄い件

photo_金小札色々威片肌脱胴具足
このキットが、

photo_金小札色々威片肌脱胴具足
高荷画伯の箱絵のような凛々しい姿に。興味のある方はぜひご覧になって下さい。


●カワイ1/500姫路城 2016.7.8

photo_カワイ1/500姫路城 photo_カワイ1/500姫路城
河合商会の1/500姫路城を買いました。
中身自体は2010年11月、フジミから建物シリーズNo.18として再販されたものと同じですから、特に珍しい訳ではありません。参考となるのは箱や組説、パンフなどの資料です。
ここで、今回入手した資料を基に、河合の城シリーズについて整理してみます。

●50年史CD-R
1/400 会津若松城 1974年1月、700円/1976年1月、700円
1/400 会津若松城ゴールド 1974年1月、850円/1976年1月、900円/1978年6月、1000円
1/500 姫路城 1976年1月、1000円
1/500 姫路城ゴールド 1976年7月、1200円

●1/500姫路城の組説
photo_カワイ1/500姫路城
シリーズ番号は組説だけに書かれており、城シリーズNo.3となっています。とするとシリーズの並びは、
 No.1 鶴ヶ城
 No.2 鶴ヶ城(ゴールド)
 No.3 姫路城
 No.4 姫路城(ゴールド)
となり、50年史CD-Rの時系列と一致します。

●1/500姫路城の同梱パンフ
photo_カワイ1/500姫路城
国宝姫路城(白鷺城)1/500 1,000円
国宝姫路城(白鷺城)1/500 ゴールド ケース付 予価1,300円
鶴ヶ城(会津若松城)1/400 700円
鶴ヶ城(会津若松城)1/400 ゴールド ケース付 予価900円

風物詩はケース人物セットまでで、紙芝居などの後期アイテムが掲載されていません。この点からみてパンフは76年前後の製作と思われます。つまり姫路城の発売とほぼ同時期です。
ゴールド鶴ヶ城が予価となっており、ちょっと見ると発売順が分からなくなりますが、これは多分この時点でゴールド鶴ヶ城の値上げ再販を計画していたという事でしょう。 そう考えれば50年史CD-Rの重複記載もスッキリします。
姫路城のゴールド版も予価と書かれていますが、76年前後というタイミングを考えると、こちらの方は本当にまだ発売されていなかったものと思われます。

やれやれ、ややこしいですね。

なお、私は今まで河合の姫路城は、芝居小屋、大名行列とともに「伝統シリーズ」として発売されたものと思っていました。 しかしパンフの内容からみると、これらが伝統シリーズとして括られたのは、どうやら初版時ではなさそうです。

あと、キットの箱サイドに鶴ヶ城の完成写真が載っていたので、以前の記事の写真を差し替えておきました。
この記事を書いた当時は半信半疑でしたが、このような証拠を見せられると、カワイの鶴ヶ城は実際に流通していたと信じない訳には行かなくなってきました。
皆様の中には当時カワイの鶴ヶ城を作った記憶のある方はいらっしゃるでしょうか。


●フジミ薬師寺東塔の軒丸瓦 2016.7.1

松本城に続いてフジミの東塔を設計します。
このキットは瓦のピッチが統一されています。丸瓦のモールドも深く、メリハリが効いています。さすがはフジミ建築モデルです。

photo_薬師寺東塔 軒丸瓦セット
しかし、丸瓦のモールドが深すぎるので、平瓦が浮いてしまいます。

photo_薬師寺東塔 軒丸瓦セット
平瓦の位置を屋根に合わせると、丸瓦と離れてしまいます。リアル云々の以前に、これでは成形できません。

photo_薬師寺東塔 軒丸瓦セット
こうすれば成形は可能ですが、表現としては如何なものかと。

photo_薬師寺東塔 軒丸瓦セット
丸瓦の位置を下げる。イヤどす。

photo_薬師寺東塔 軒丸瓦セット
平瓦はあきらめてプラスチックパーツのパターンにあわせる。それもイヤどすなあ。

全部イヤですが、現実にはどれかを選ばなくてはなりません。ぐぬぬ。

良い話もあります。フジミの1/100東塔と興福寺五重塔は瓦のピッチが正確に一致するので、直線部分の設計は丸ごと流用可能、両端の曲線もちょっと手を加えれば使えそうです。
というわけで、東塔と興福寺五重塔の軒丸瓦セットは同時発売予定です。お楽しみに。




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