■石屋主人日乗

ここは石屋の主人がプラモに関係あるコトやないコトを好き勝手に書き散らすページです。
以前の「ニュース」を改題。ニュースというと城プラモ界のイベントを残らず網羅するような印象になってしまいますが、そんなマメな事をやる気はサラサラないので。

PYROのアンティークピストル  2014.1.31

photo_PYROのクラシックピストル

photo_PYROのクラシックピストル

同社は古銃や民俗船など面白いシリーズを展開していました。
PYRO版キットの組説、およびRick Polizziの資料本「Classic plastic model kits Identification & value guide」からピストルの種類を調べると以下の通り。

  WESTERN "44"
  BUCCANEER
  PRIVATEER
  YORKTOWN
  BUNKERHILL
  CIVIL WAR NAVY "36"
  DERRINGER PEPPERBOX SET
  FRENCH WHEELLOCK
  ITALLIAN MIQUELET
  MOORISH MIQUELET
  BLUNDERBUS
  PAIR OF DUELING PISTOLS
  DUTCH FLINTROCK
  PEACEMAKER "45"

すっ、素晴らしい、ぜんぶ欲しい。
なおPYROはウインチェスターなど長物のキットも出しており、ブルマァクから古典名銃シリーズとして販売されたこともありました。

photo_PYROのクラシックピストル
この4点は金属部分の形がほぼ同じで、銃身長と木部の形状で差別化したバリエーションキットのようです。組説も4点共通で、差分のみ注釈が書いてあります。
不思議なことに、私の所有するPYRO版のバッカニアは銃身がヨークタウンやバンカーヒルと同じで、上の画像のような短銃身ではありません。
しかしネットで検索すると、画像のような短銃身タイプのパーツも確かに存在したようです。なんだこれ。
また、PYRO版のバッカニアとLIFE-LIKE版のバンカーヒルを比べると、両者とも用心金などパーツの形は同じですが、PYRO版は一体成型でLIFE-LIKE版は二分割という妙な違いがあります。

●LIFE-LIKE再販
photo_LIFE-LIKEのクラシックピストル
ペッパーボックスとデリンジャーのセット。50pの細長い箱に入っています。
リンカーン暗殺のシーンが箱絵に描かれています。物騒なプラモですね。

photo_LIFE-LIKEのクラシックピストル
たいへん繊細なモールドが施されています。

photo_LIFE-LIKEのクラシックピストル
パーカッションリボルバーのプラモ。すごい、欲しい。

●イマイ版
photo_イマイのクラシックピストル
ヨークタウン、バンカーヒル、イタリアンミケレットの三点がありました。
定価1200円。50年史DBによると1977年1月発売予定。
この当時、金型は既にLIFE-LIKE社に渡っており、イマイ版の箱にも"Molded by LIFE-LIKE for IMAI KAGAKU"と書いてあります。

photo_イマイのクラシックピストル
イマイ版の特徴は、木部や金属の塗装方法が色刷りの説明書で丁寧に解説されていた点です。
特に、銃把などの木部には「イマイ帆船カラー」というオイルステン状の塗料が指定され、パッケージ写真のような美しい仕上がりを楽しめるよう配慮されていました。
同社は帆船プラモのシリーズを展開していたので、「イマイ帆船カラー」や「ワイピングブロンズ」などの専用塗料も自社ブランドで販売していたのです。
なお、帆船カラーは近年は生産されておらず、2002年に再販の予定がありましたが、直前になってイマイが自主廃業したため実現しませんでした。

●LINDBERG再販
photo_LINDBERGのクラシックピストル
2007年、LINDBERGからパイレーツピストルと銘打った4点の古銃が再販されました。
箱にはカリビアン・パイレーツとも書かれています。きわどいなあ(笑)。
内容は旧PYROのMoorish Miquelet、Dutch Flintrock、French Wheellock、Blunderbus。価格は5000円程度でした。


●マッチボックスのカタログ  2014.1.24

photo_マッチボックスの77年版カタログ
マッチボックスの77年版ポケットカタログが出てきました。大分のエサキ科学かタケダ模型あたりで貰った可能性が高いと思われ。

photo_マッチボックスの77年版カタログ
マッチボックスなのでミニカーも載っていますが、中でもこれは渋い。1918年型クロスレーRAFテンダーだそうです。

photo_マッチボックスの77年版カタログ
プラモデルの部。そういえば1/32のエミールやドントレスもありましたね。

photo_マッチボックスの77年版カタログ
シュペーとエクゼター。これまたイギリス人が好みそうな組み合わせ。

photo_マッチボックスの77年版カタログ
アクションフィギュアまで取り揃えていたとは。中央の白い人はキャプテンキッドの幽霊だそうです。

●おまけ
photo_大分銘菓 官兵衛
大分銘菓、菊屋の黒田丸官兵衛。

photo_大分銘菓 官兵衛
中身は兜に似せて・・・深くは突っ込まないことにしよう。

photo_大分銘菓 官兵衛
このあと美味しくいただきました。お茶うけにお勧めです。


●相原のステレオ  2014.1.17

「嘘ではない、確かに見たのじゃ」
「フゥ、やれやれ。爺さん、また例の話かよ」
「本当なのじゃ。儂がまだ若い頃、先代の店長が店番しながら作っておったのじゃ、相原模型のステレオのプラモを」
「いやいや、相原なら城とかヨロイカブトでしょ、ステレオはないでしょ」
「アオシマのオーディオシリーズと記憶がゴッチャになってるとか?」
「この糞たわけが。うぬらの倍も生きてきた儂じゃ、アオシマのステレオくらいリアルタイムで買うておるゆえ、ちゃんと覚えとるわ」
「買ったのかよ」
「何でも買うんだな・・・」
「どうでもいいけど、そもそもステレオって死語だよな」

というわけで、ステレオのプラモなどアオシマ以外にも存在したのでしょうか。
実をいうと爺さんの記憶は勘違いではなく事実なのです。

photo_相原 ミニ家具シリーズ ステレオ
相原模型のミニ家具シリーズNo.1 ステレオ。定価350円、発売時期は組説に1968.8とありますから、そのあたりでしょう。

photo_相原 ミニ家具シリーズ ステレオ
本体はパールっぽい木調のブラウンで成形されています。
この材質について、「木質感表現 プラスチックモデルでは、初めての木目模様の出る材料を使用しました」と箱の側面に書かれています。
現在ではプラモの他、モデルガンのグリップなどにも当たり前に使われている素材ですが、この頃が出始めだったのかもしれません。

photo_相原 ミニ家具シリーズ ステレオ
本体関連のランナーも同様の素材でモールドされています。

photo_相原 ミニ家具シリーズ ステレオ
ターンテーブルなど機械部品のランナーは銀メッキです。

photo_相原 ミニ家具シリーズ ステレオ
プレーヤーのフタはクリアパーツ、レコードやツマミなどは赤い成形色。スピーカーの前面に貼る布や、チューナーの目盛を印刷した紙などもセットされています。

「約10分の1の大きさで、ファッション人形に合うよう作ってあります」と箱に書かれています。
ファッション人形というのは当時流行のリカちゃんあたりでしょうか。wikiによると初代リカちゃんが1967年発売、身長21cm。
時期は合っていますが、リカちゃん本体のスケールは1/6から1/7くらいなので、ちょっと不揃いです。
まあ小道具だからあまり厳密に考えていないのかもしれませんが。現在なら1/12を選択するところでしょうね。

「ステレオのほか、次々に発売されますので楽しくミニ家具が揃います」とあり、相原としても最初はヤル気満々だったようです。
当時、67年発売のニチモ1/8ドラムスが68年初頭までに50万個を売り上げたと言われており、若者向けの洒落た飾り物という点でも売れそうな予感があったのかも。
しかし残念ながら、このシリーズは後が続かず、実際に発売されたのはステレオだけだったと思われます。
なお、モデルアート1968年10月号には本キットの広告と紹介記事が掲載されています。

photo_相原 ミニ家具シリーズ ステレオ
中央の引き出しは可動で、オープンリールのテープデッキが入っています。こんなステレオ、うちにも昔あったなあ。
また、左右のスピーカーの内部も可動する引き出しになっていて、「アクセサリー入れなどに使えて便利」と書いてあります。
ちゃんと女の子向きのギミックになるよう工夫されています。

photo_相原 ミニ家具シリーズ ステレオ
余談ですが、箱のサイズは単品販売の鎧櫃と同じです。共通の抜型を使っていたようです。なお鎧櫃の発売は1969年。

最後にステレオのプラモについて補足すると、これ以外にもまったく別の金型で「MUSICA」というオルゴール付ステレオが童友社から出ていました。


●九州満喫きっぷ  2014.1.10

いつもなら冬、鉄、18きっぷって騒ぐのに、今年は静かだな、そんなふうに思われた方もいらっしゃるかと。
実は、この寒いのに18きっぷで5日間も出歩くのが何だか億劫になってきました。齢ですね。
そこで18きっぷの予算を流用して、三日分10,500円の「旅名人の九州満喫きっぷ」を買いました。
一日あたりの金額は18きっぷより割高ですが、私鉄や第三セクターでも使えます。
この機会にくま川鉄道や肥薩おれんじ鉄道に乗ることにしました。

●12/28(土)
日豊線 高城〜大分
豊肥線 大分〜熊本
熊本城を見学
熊本電鉄で青ガエルや併用区間を楽しむ
マルエスでプラモを買う
熊本泊

●12/29(日)
鹿児島本線 熊本〜八代
肥薩線 八代〜人吉
くま川鉄道 人吉温泉〜湯前を往復
肥薩線 人吉〜八代
肥薩おれんじ鉄道 八代〜川内
鹿児島本線 川内〜鹿児島
鹿児島市電のりつぶし
バロンでプラモを買う
鹿児島泊

●12/30(月)
日豊本線 鹿児島中央〜隼人
肥薩線 隼人〜吉松
吉都線 吉松〜都城
日豊本線 都城〜宮崎
とやまでプラモを買う
日豊本線 宮崎〜高城

●トピックス
photo_豊肥線 阿蘇のカルデラ
豊肥線の波野〜宮地間で熊本方面に向かって右側の車窓から。
豊肥線といえばスイッチバックが魅力ですが、阿蘇の外輪山を越えてカルデラに入るあたりの眺めもなかなかの見どころです。
ただし一瞬しか見えないのが残念なところ。このあと左を向けば阿蘇山が見えてきます。



●謹んで新春のお慶びを申し上げます  2014.1.3

photo_フジミ建築モデルシリーズ ゴールド多宝塔
本年もご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い致します。

本年最初のお題はフジミ建築モデルシリーズの1/100ゴールド多宝塔です。
1967年、カラー版は建築モデルシリーズのNo.11、ゴールド版はNo.12として発売されました。
プロポーション、ディテールともに優れたキットで、素組みでも写真のように繊細な仕上がりとなります。
現在では金メッキ版は生産されていませんが、カラー版は建物シリーズNo.10として販売されています。
なお同期のキットは、やはり名作として名高い1/100金閣があります。



フレーム表示へ  石屋模型店TOPへ