高知城資料集
童友社JOYJOYコレクションの1/500高知城は、元は相原模型/緑商会(*1)のジュニア名城シリーズとして1975年6月に発売されたものです。当時の定価は500円。
巧みなデフォルメで、複雑な地形と建物をジュニア名城シリーズの共通サイズにうまく収めています。よく見ると東多聞櫓と詰門は実際より大幅に短縮されていますが、違和感を感じさせないのは相原マジックとでも言うべき見事な手並み。
実物同様に本丸の建物群が全て再現されているのも魅力です。惜しむらくは本丸御殿側面で、モールドが閉鎖的なため書院らしさに欠けています。腕に覚えのある方なら修正に挑戦してみるのも面白いでしょう。
*1: 企画制作は相原模型、製造販売は緑商会
■資料写真

天守全景、北側(二の丸の方)から眺める。

もうちょいアップ。東多聞櫓はキットよりだいぶ長いのが分かります。四万十層群のチャートを積んだ石垣の形状や色彩にも注目。

東側に振ってみる。各部の窓は次のようになっています。
1,2階: 南北面(破風に窓がない方)は格子2本、東西面は格子3本。内側は土戸、閉じると白。
3階破風: 南北面は窓なし。東西面は土戸、閉じると白。格子なし。
4階: 外側は突上戸。内側は土戸、閉じると白。格子なし。下方の小さい銃眼も同様。
5階: 窓なし。
6階: 望楼の戸や高欄など黒い部分は黒漆塗。

詰門を東側から眺める。格子は縦3本・横2本の独特な形状です。

詰門を西側から眺める。

詰門から廊下門、西多聞櫓の全景。多聞櫓の格子は縦3本・横1本。

廊下橋の入口。

廊下門を潜り西多聞を眺める。

本丸に入り西から天守を眺める。天守は固有の天守台を持たないことがわかります。

天守西側アップ。

玄関のディテール。

天守六階の内部。

戸は黒漆で塗られています。キットは戸と、その上の長押形が省略されています。

廻縁と高欄。擬宝珠をつけた四隅の長い柱が特徴。これらも黒漆塗で、墨塗と違ってカスれたりせず、しっとりとしたセミグロスブラックの塗膜が出来ています。鉄パイプの転落防止柵は現代の観光用。

天守から東多聞櫓、詰門、廊下門を見下ろす。

天守から本丸、黒鉄門付近を見下ろす。

天守から本丸御殿東南側の庭を見下ろす。

現地の案内板、本丸御殿の間取りが分かります。

本丸御殿南入側

本丸御殿南入側の端っこ、土塀と接するところ。土塀の低さや控柱の形状がわかります。庭には入れないので、御殿側面の写真はこれだけでご勘弁。

納戸多聞。

西廊下の外側。

黒鉄門の内側。

黒鉄門の外側。

黒鉄門を出たところ、納戸多聞の外壁(組説手順EのパーツNo.45)。ここだけは鉄格子が入っています。

鐘撞堂を北側から眺める。
2011.11.25更新
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